”暇”をつかって同士をつくる
”暇”をつかって同士をつくる
お店の人が発信を続けることの価値

”映画を観て、本を読み、同業者のブログを眺めていました。
要するに、暇を楽しんでいたんです。”
暇な時間の過ごし方について、先日こんなことを書きました。
これは、どうしても避けられない閑散期に、心が折れないための工夫でもありました。
ただ、この時のインプットやアウトプットが、のちにお客様を呼ぶこともあるんです。
今回は、暇を活かして発信していたら、
思わぬ形でお店に人が集まるようになった話をします。
僕が映画を観て、本を読んでいたのは、昔から好きだったからです。
それをnoteやインスタグラムで伝えていました。
この映画を観た、この本を読み終わったと。
それぞれ、ちょっとした感想と共に。
すると、それに興味を持った人がお店に集まるようになりました。
不思議ではないですよね。
好きなものを話したい人は多いですから。
映画を観た後にうちに寄り、感想を伝えにくる。
本を買ったついでに、今日の収穫品を見せにくる。
僕はこれらを意図して発信したわけではなかったんですが、
そんなお客様が来るたびに、「それはそうだよな」と納得していました。
だって、安心しませんか?
好きなものが同じだと、同士みたいに思えることがあるじゃないですか。
あと、お店の人が何者なのかを知っていると、会話の糸口にもなりますよね。
会話のきっかけを与えるという意味でも、
こちらの情報は少しでもいいので開示するべきだと思うんです。
僕は、全ての店主が情報発信をした方がいいと思っています。
お店の情報だけではなく、あなたが何者なのかを。
店主である前に、一人の人間である。
何が好きで、何に夢中になったのか。
今、何を聴いていて、何を観ているのか。
誰にだって何かしらはあると思うんです。
こだわりの素材や、お店の良さを紹介するのもいいでしょう。
でも、それらで差別化は難しくなりました。
美味しくないお店なんて、この時代にはないんですから。
「スペシャリティコーヒーを使っています」では差別化ができなくなったコーヒー業界のように、
物はいずれ均一化してしまうんです。
だから、人ではないかと思っています。
特別な体験をしている必要はなく、波瀾万丈な人生も必要ありません。
ただ、来てくれるお客様に対して、会話の糸口として、あなたの好きを。
そのためのインプットは、多少は必要かもしれませんね。
好きを伝えるには、熱が必要ですから。
その熱は、今まさに夢中になっている時じゃないと起きない気がするんです。
「暇を楽しみながらも、それをどうにかお店に繋げられないか」
そんな下心は多少あってもいいと思います。
「発信をしたいから、何かインプットしよう」
これは好きな人から見ると、集客の道具として使ってるのがバレてしまうので、気をつけてください。
順番は大切です。
だから、自分が心から好きだと思えるものを発信してみてください。
矢沢永吉さんや阪神タイガースのポスターが貼られているお店には、同士が集まりますよね。
そんな映像を見たことがあると思いますが、あれに近いです。
それをSNSという場所でやるのは、悪くないですよ。
少なくとも僕のお店には、沢山の映画好きや本好きが集まっていました。
その人たちの話を聞くのが、お店を営業している時の楽しみの一つでもありました。
同士が見つかって嬉しいのは、お客様だけではなく、店主も同じなんです。
それが、約10年、僕がお店を続けられた秘訣でもあるんです。
Written by
福永英侍
PIECE OF SIGN 商品開発チーム。元「THE LATTE TOKYO」オーナー。約10年間休まず、渋谷区神山町で小さなコーヒースタンドを運営。当時の経験をもとに、店舗に寄り添う読み物も執筆中。
