気づけていない「妥協」を解決する
カウンターメニューボードサイン 開発秘話

 

気づけていない「妥協」を解決する

カウンターメニューボードサイン 開発秘話

カウンターメニューボードサイン

「マスターピース」と呼ばれることの多い
カウンターメニューボードサイン』。

紙を置くだけで、カウンターの上がすっきりと整う。
シンプルなのに、どこか凛とした存在感があります。

この商品がどのように生まれたのか。
企画を担当したメンバーに、福永が話を聞きました。

── カウンターメニューボードですが、きっかけは何だったんですか?
開発者 私はよくフィールドワークで、
商品を買ってくれたお店の人の話を聞きに行ってたんです
── そこでメニューボードが欲しいという声が?
開発者 いえ、そんな直接的な声は聞けないことがほとんどですね。
私の肌感ですが「何か困り事はありますか?」という質問に
ぱっと答えられる人って少ないんです
── あー、そうでしょうね。
営業ができていると、困り事ってなかなか気づけないんです。
使っている物の不満には気づけても、
そもそも"ない物"には気づきにくいですから
開発者 なるほど、だから困っていないように見えるのか…
ただ、お店の人に話を聞きに行く時に店内を観察するんです。
そこで気になったのがメニューでした
── 何が気になったんでしょう?
開発者 私自身、カフェやバーで働いていた時に
樹脂で作られたメニューボードを使っていたんですが、
あれって見た目が…
── たしかに、空間の雰囲気と合っていないことが多いですよね
開発者 フィールドワークでお店を回っている時も、
どうしてもあのメニューボードを使っている所が多くて、
その光景にモヤッとしてたんです
── もったいない、と?
開発者 そうですね。外観や什器にはこだわっているのに、
メニューの掲示の仕方はそれでいいのかなって
カウンターメニューボードサイン 使用イメージ
── それならかっこいい物を作ろうと?
開発者 はい。弊社にはミニマルメニューボード ウォールサインという
壁面でメニューの掲示に使える物があったので、
その雰囲気をカウンターに持ってこれないかと考えました
── 確かに雰囲気は似てますね。クリーンでミニマルな感じ
開発者 あと、メニューボードにも名入れできるな、と思ったんです。
というのも、樹脂のものにステッカーを貼っているケースがあったので、
それも解決したくて
── なるほど。だからカウンターメニューボードは、
この形になったんですね。
名入れの部分が自然な場所にある
開発者 せっかくなら綺麗に名入れしたいじゃないですか。
ただ、この形は名入れをしたいからってわけでもないんですよ
── それじゃあ、この差し込む形はどこから?
開発者 卓上カレンダーです。
ベースに差し込んで良い感じに傾斜ができる物を発見して、
これを活用できそうだなと
── カレンダー!?
そもそもなぜカレンダーを探してたんでしょう?
開発者

当時は看板や什器に限らず、
お店の方のあらゆる困り事を解決しようという時期で、
カレンダーの企画も進んでいたんです。

そのリサーチ中に、ベースに差し込むだけで
綺麗に傾斜がつく構造を見つけて、
「これはメニューボードに応用できる!」と直感しました

カウンターメニューボードサイン 差し込み構造
── そんな過去が。差し込みの形も綺麗ですし、
紙を差し替えられるのもいいですよね
開発者 お店のメニューって頻繁に変わるじゃないですか。
だから店舗のプリンターで印刷できるサイズにしたんです。
なので、A4とA5にしました
── 助かります。紙を置いた時の余白もいい感じですし
開発者 見た目はシンプルですが、実際には決めることが本当に多くて。
何度も試作を重ねました
── 余白以外にも?
開発者 ボードの傾斜から、名入れの幅、ステンレスの素材など、
いくつも決めることがあるんですよ
── ステンレスにも種類があるんですか?
開発者 実は、商品によっていろいろ使い分けてるんです。
この商品は磁性のあるものにしています
── それでステンレスでもマグネットで止められるのか
開発者 紙を固定しないと落ちるし、湿気でたわみますから。
それは避けたかったんです
── それを防ぐためにラミネートをしている所も多いですよね
開発者 私、ラミネートが苦手なんです。
実用上はラミネートが合理的だと分かっているんですが…
── わかりますよ。うちのお店でも使っていましたから
開発者

カウンターは設計士さんが作ったり、
お店の人もこだわって作るじゃないですか。
レジ上の照明も考えてるでしょうし。

だからこそ、あのペカペカの反射が
余計に悪目立ちするのが嫌で…

── 僕もラミネートは嫌いでした。
でも、使わざるを得なかったんです。
汚れと湿気から守るにはあれぐらいしか方法がなくて
開発者 ですよね。
だから作ったんですよ。
紙を置くだけで綺麗に見えるメニューボードを
── とことん現場目線で作ったんですね
開発者 もう妥協しなくていい、
「メニューサインならこれ」というものができたと思います

現場を知っているから生まれ、
現場を見てきたから違和感に気がついた。

カウンターメニューボードサインは、メニューを掲示するための道具であると同時に、
お店の空間を、「妥協」から「表現」へと変える存在なのかもしれません。

Written by

福永英侍

PIECE OF SIGN 商品開発チーム。元「THE LATTE TOKYO」オーナー。約10年間休まず、渋谷区神山町で小さなコーヒースタンドを運営。当時の経験をもとに、店舗に寄り添う読み物も執筆中。