質感と配色が、こだわりの一杯をもっと魅力的に
PAPER SUEDE CUP 開発秘話
質感と配色が、こだわりの一杯をもっと魅力的に
PAPER SUEDE CUP 開発秘話

お店を始めた頃、テイクアウト用のカップを選ぶときに、その種類の多さに戸惑いました。
どれも似たようなカップばかりで、何が良い物なのかも分からない。
結局、「これでいいか」と妥協して選ぶしかありませんでした。
でも、その感覚にはずっと違和感があったんです。
お客様に手渡すものなのに、そんな判断で選んでいいのかなと。
だからこそ、「これでいい」ではなく、「これがいい」と思えるカップをつくりたかったんです。
では、「これがいい」とは何か。
正直なところ、カップとしての機能だけで言えば、ダブルウォール(二重構造)仕様で必要十分だと思っています。
裏を返せば、機能が良いだけでは新しく作る意味がない。
そこで、他にはない「質感」と「配色」で新しい価値を作り出せないかと考えました。
そうして出来上がったのが、この「PAPER SUEDE CUP」です。

ボディとインナーを同色でまとめた配色のダブルウォールカップは他になく、統一感があり、パッと見ただけでも違いがすぐに伝わります。
そして、何よりこだわったのが質感です。
サンプルが出来上がり、仲の良いコーヒー屋さんに持っていくと、その誰もが自然とカップの表面を撫でていました。
「これは何でできているのか」「リユースカップなのか」「どこで売っているんだ」と。
お店側は自信を持って「これ以上は無い」と言い切ることができ、受け取るお客様は、手に取った瞬間にその違いに気が付く。
お店の人もお客様も、「これがいい」と満足していただけるカップができたと思っています。
では、このカップに合わせるリッドは何がいいのか。
これ以上は無いというカップに付けるものだからこそ、リッドにも妥協はしたくありませんでした。
いま主流のリッドの機能は、直接飲めるものか、しっかり閉まる蓋付きのものの2種類。
でも、私がお店に立っていたときに感じていたのは、「そのどちらの機能も兼ね備えたものが欲しい」という思いでした。
直接飲めるタイプはその場で飲むには良いですが、お客様が持ち運ぶ際に溢れるリスクがあり、気を遣わせてしまう。
一方で、完全に口を塞ぐタイプは持ち帰りには便利なものの、移動中にひと口だけ飲んでしまうと、もう元には戻らないという不便さがありました。
お客様は不安なく持ち歩きたいし、好きな時に飲みたいはず。
それを解決するために開発したのが、この「MATTE 2WAY LID」です。

蓋の部分は何度もスムーズに開け閉めができ、飲む時はカチッと固定できる。
さらに、蓋の部分を広げるとストローを差すこともできるので、アイスドリンクにも無理なく対応できます。
「お客様の多様な需要に合わせたいけれど、何種類も資材を用意するスペースがない」
それこそがお店のリアルな声だと思います。
だからこそ、これさえあれば大丈夫という商品を作りたかった。
色味はカップのトーンに合わせて作っているので、セットで使っていただくと他にはない一体感が生まれます。
ワントーンでクリーンにまとめても良いですし、カップとリッドの配色を変えて、お店独自の好きな組み合わせを作っていただくことも可能です。

どこで買っても見た目や機能に大差がなく、カップやリッドでは差別化ができない。
そう思っていたからこそ、これが新たなお店づくりの武器になれたらと思っています。
このカップにお店のロゴスタンプを押したり、ステッカーを貼っていただくだけで、それだけで少し他とは違う特別な空間を演出できるはずですから。
Written by
福永英侍
PIECE OF SIGN 商品開発チーム。元「THE LATTE TOKYO」オーナー。約10年間休まず、渋谷区神山町で小さなコーヒースタンドを運営。当時の経験をもとに、店舗に寄り添う読み物も執筆中。