雇用と店舗の拡大が正解なのか?
雇用と店舗の拡大が正解なのか?
自分のペースで続けるために、やらないと決めたこと

「潰れるのがわかっているのに、休んでる場合ではない」
前回、こんなことを書きました。
僕が365日、1日も休みを取らずにお店を開けていた理由。
飲食店の廃業率の高さを知っていたからこその働き方でした。
もちろん、こんな働き方は推奨されないですし、真似もしてほしくないのです。
きっと、苦しくなるので。
僕のお店が約10年続けられたのには、無理して働いた以外にも理由があります。
今日は、その「お店を続けるための選択」について、お話しします。
僕のお店が続いた理由の一つ。
それは、固定費の削減です。
根性論だけで生き残れるのなら、ほとんどの飲食店は生き残ってるでしょう。
皆さん、気合いが入った方ばかりなので。
でも、現実にはそうなっていない。
だから、お店を続けるためにそれ以外の部分、実務的なことも考えました。
飲食店で一番大きな固定費は、恐らく人件費です。
一般的に30%前後が適正と言われていますが、僕は人を雇いませんでした。
「人件費を削りたいから」という単純な理由だけではなく。
育成や気遣いなど、スターバックスで勤めていた時代に感じた疲れ。
それはもうやりきったという気持ちがあったので、雇うという判断をしませんでした。
これには大きなリスクがあります。
僕が心身ともに健康であれば問題ないのですが、
そうではなくなった場合、お店が立ち行かなくなります。
他にも、行き詰まった時の不安や、孤独に耐えられない人などは、相当なストレスになると思います。
ただ、それらを知ったうえで、僕のお店が続いた理由の一つは、一人分の人件費だったからと言えるのです。
売上が下がれば手取りを減らし、お店を続けたいなら贅沢をしない。
これを自分の身一つ、考え方一つで決められるのは、大きなメリットだったと思います。
ただ、人を雇わないとできないのが、店舗拡大ですね。
僕は店舗拡大をしませんでした。
これは固定費の削減というよりも、興味がなかったんです。
「いつ来てもやっていて、いつもの人がいる」
自分ならやれることも、誰かにやらせることはできません。
なので、最初から最後まで一店舗でやっていました。
「それでは儲からないじゃないか」
同業者からはそんな声が聞こえてきそうです。
それは、まったくその通りで。
一般的に、店舗の最終利益は売上の10%残ればいい方だと言われます。
スケールメリットも享受できないですしね。
他にも、自分の味を沢山の人に知って欲しい、雇用を創出したい、お店作りが楽しいなど、
それぞれに拡大する理由があると思います。
こうした目的が明確にある人は、自分の思うがままにやるべきです。
ただ、僕が思うのは、
”何となく”でお店を拡大してしまう人が一定数いるのではないかということで。
お店を始めたら、増やしていくものだ。
そんな先入観がある人は、一旦、落ち着きましょう。
こういった先入観があると、なかなかに厳しい時代になってきました。
最低賃金が上がっていくのはもちろん、家賃も上がっていきますからね。
仕入れはどうにか代替品を探したり、その材料をやめればいいだけなんですが、
固定費からは逃れることができません。
なので、今一度、なぜ拡大したいのかを自分に問いかけてください。
なぜ、人を雇うのか。
なぜ、拡大したいのか。
休みたいなら、定休日を作ればいい。
お金を稼ぎたいなら、投資をすればいい。
手段と目的が一致している場合にのみ、アクセルを踏むべきなんです。
お店を始めた理由は何だったのか。
お店を通して実現したいことは何なのか。
ただ、何となく、一般的な正解だからという理由で突き進む人が多いからこそ、
前回の記事で紹介した廃業率の高さに繋がっていると思います。
自分のお店なんですから、世間一般のとか、教科書的な正解は忘れましょう。
「売上」「規模」「成長」よりも、
やりたいことを続けるためにはどうすればいいかを考えて、行動するのがいいと思うんです。
雇用や拡大は、"前提"ではなく"選択"です。
僕の場合は、「人を雇わない」「拡大しない」でした。
その結果、休みがなくなり、大きく稼ぐこともありませんでした。
でも、幸せで、後悔なく、終えることが出来ました。
そんな人が増えたらと思っています。
どうか、あなたのペースで。
