"浮遊感" がありきたりを超える
ROUND スタンドサイン開発秘話

 

"浮遊感" がありきたりを超える

ROUND スタンドサイン開発秘話

ROUND スタンドサイン

A-Frame と並んで人気の高いROUND スタンドサイン。
定番なシルエットのA-Frame と違い、これまでにない個性的なフォルムが特徴です。

直線的なプロダクトの多いPIECE OF SIGN の中で、
どこか異彩を放つROUNDスタンドサインがどのようにつくられたのか。

ぜひ、A-Frame の開発秘話と合わせてお読みください。

福永 曲線と丸で構成されているROUNDスタンドサインは、
僕の印象だとPIECE OF SIGNっぽくないんです。
作ろうと思ったきっかけは何だったんですか?
湯地 確かにうちはミニマルでクリーンな印象の製品が多いですもんね。
これのきっかけはA-FRAMEなんですよ
福永 A-FRAMEが?
湯地 A-FRAMEとROUNDは、最初からセットで考えていたんです。
A-FRAMEが四角で、ROUNDが丸。
最初は"形の違う2種類"を作るつもりで始めました
福永 なるほど。だから全部が丸いんだ
湯地 同じような看板を二種類作るよりも、
印象が違う看板があった方がいいと思って
福永 でも、これはA-FRAMEと違って市場にはない形ですよね?
既存品のブラッシュアップというよりは
本当にゼロからの制作だと思うんです。
どうやってあの形状に行き着いたんでしょう
湯地 そこは知恵を絞りました。笑
福永 シンプル。笑
ないものを作るとなるとそれしかないですよね。
でも、細かく見ていくと工夫がよくわかります
湯地 そうなんですよ。
プレートをフックで引っ掛けるとか、
支柱とベースを溶接しないとか、色々と考えました
ROUNDスタンドサインの細部のアップ
福永 このデザイン面での良さは何でしょう?
湯地 プレートを引っ掛けると印刷がしやすいんです。
うちは自社で名入れができるのが強みなので、そこはマストで
福永 支柱とベースを繋がないのは?
湯地 支柱とベースを一体化しちゃうと、
梱包サイズが大きくなるので配送コストが上がるんです。
しかも輸送中に折れるリスクもある。
だから分離できるようにしました
福永 そうしたコストは価格に乗っかりますもんね。
削れるところは削った方がいいと
湯地 少しでも多くの方に手に取っていただきたいので。
ただ、やっぱり見た目が大切ですから、
そこは評価軸としてブレないようにしています
福永 見た目を捨てることはしない?
湯地

もちろんです。
あらゆることを考えて図面は引きますが、
製品がかっこよくなければ意味がないですから。

なので、形だけじゃなく塗装にもこだわりました。
色味はもちろんですが、塗装方法も検証して

福永 商品ページを見ると粉体塗装と書いてありますね。
今では当たり前にこの塗装を使用しますが、
ここに行き着くまでに試行錯誤があったんですか?
湯地 同じ色でも塗装方法が違えば
色の出方が変わるし、強度も変わるんです。
もちろんコストも
福永 そこで重視したのはコストじゃなかったんですね
湯地 重視しないわけではないんですが、
まずデザインが大切ですし、
看板は長く使うものなので強度も大切。
そこで行き着いたのが今の粉体塗装なんです
ROUNDスタンドサインの全体像
福永 今のラインナップに共通している"当たり前"は、
この時に作られたんですね
湯地 A-FRAMEと同じく、この製品も原点ですからね
福永 フレームカラーのバリエーションが多いのも魅力です
湯地 ニュアンスカラーを試したのは、これからだったと思います。
最初は小ロットで試したんですよ
福永 反応が見たいから?
湯地 はい。
巷にある看板はベーシックなカラーが多いじゃないですか。
だからどれぐらい需要があるかわからなくて
福永 でも、作りたかった?
湯地 欲しい人はきっといると思って
福永 結果、沢山の人に愛されましたね
湯地 はい。
ニュアンスカラーも頭を悩ませて決めたので、
反応が良くて嬉しいです
福永 湯地さんの好みを感じました。
ニュアンスカラーなのに渋い色味
湯地 PANTONEの見本帳と睨めっこしながら決めましたからね。
甘すぎるのはちょっと…笑
ROUNDスタンドサインのカラーバリエーション

人気のニュアンスカラーのひとつ、アッシュベージュ

福永 いいと思います。
最後に聞きたいんですが、制作者が思う、
このサインの魅力は何だと思いますか?
湯地 プロダクト感ですかね。
それと、浮遊感
福永 プロダクト感、というのは?
湯地 既存にはない形で、ある意味、看板ぽくないんです。
インテリアに近いというか。
それが逆に看板として可愛く見えるんです。
コロンとしてるし
福永 いい意味での”違和感”がありますよね。
浮遊感については?
湯地 プレートが風で揺れるんですよ。
それを街で見かけると、なんだかよくって。
看板だから重厚でガチガチに固定しなきゃという
先入観があったんですが、
これを作って変わりました
福永 やはり、今の看板作りの原点になってますね
湯地 ROUNDスタンドサインがあったから、
今のPIECE OF SIGNのものづくりができていると思います

今までにない形は、"A-Frame の対"という発想から生まれたもの。
PIECE OF SIGNのものづくりの原点であり、挑戦の証でもありました。

風にそよぐROUNDスタンドサインには、
看板を超えた"浮遊感"が漂っています。