仕入れ先の「思い込み」を取っ払う
仕入れ先の「思い込み」を取っ払う
利益を圧迫しない、仕入れ先の選び方

お店を始める時、悩むのが仕入れ先です。
自分がこだわりたいものなら、意地でも探すと思うんです。
例えば僕がやっていたお店では、『東京牛乳』だけはメーカーに直接連絡。
仕入れられる商社を紹介してもらいました。
でも、それ以外の、シロップや紙コップのようなもの。
規格は決まっているけどメーカーにはこだわりのない場合。
そうしたものこそ、なんとなくで決めると損をしているかもしれません。
最初のうち、僕は牛乳を仕入れていた商社から、あらゆる資材を仕入れていました。
卸売をしてくれているなら、安いに決まっている。
自分で商売をしたことがなかったので、「卸=安い」という思い込みがあったんです。
ただ、あるとき。
次の納品日までに資材がなくなってしまう事態になりました。
そこで、調べてみたんです。
「ダヴィンチ バニラシロップ」と。
すると、今の仕入れよりも10%ぐらい安い。
そして、翌日に届く。
さらに、ポイントも付く。
この時、僕は自分の無知を恥じると共に、「卸売は安い」という概念が完全に崩れました。
思い込みだったと、気づいたんです。
それから、色々と調べてみましたが、ほとんどのものがネットで直接買ったほうが安いんです。
考えてみれば当たり前なんですが、頭にこびりついていた「卸売」という言葉が邪魔をしていました。
インターネットが発達する前は、商社がないと仕入れられなかったでしょう。
個人店が各メーカーと契約なんてできるわけもなく、手間もあるし、価格交渉力なんてない。
それを商社にやってもらうことにより、契約は一社で済み、様々な商材を仕入れられ、安くもなる。
当時は、そういう優位性があったんだと思います。
ただ、今となっては。
少なくとも僕の店では、その優位性を感じることはできませんでした。
試しに、楽天やYahoo!ショッピングで仕入れているものを検索してみてください。
ほとんどの個人店は、商社から仕入れるよりも安くなると思います。
見積もりを待つ時間もないですしね。
一社で仕入れが完了する楽さはあるかもしれません。
ですが、それ以上のメリットがネットショッピングにはありました。
最終的に、僕がネット以外から買っていたものは東京牛乳だけです。
生鮮食品に関してはまだネットは弱い。でも、それ以外は全てネットからです。
知っているか知らないかで、原価が大きく変わります。
それが積み重なれば、経営を静かに圧迫します。
一年目の僕に、教えてやりたかった。
商社の担当の笑顔の裏には、仕事であるという事実を忘れずに。
相手も慈善事業ではなく、会社のために仕事をしているのだから。
なんとなくの仕入れは、なんとなく利益を削っていくのです。
Written by
福永英侍
PIECE OF SIGN 商品開発チーム。元「THE LATTE TOKYO」オーナー。約10年間休まず、渋谷区神山町で小さなコーヒースタンドを運営。当時の経験をもとに、店舗に寄り添う読み物も執筆中。
